身体感覚

繰り返されるトラウマにより身体感覚を解離させ、頭で物事を感じるようになるのも自然です。

 

 

体で感じることが鈍くなり、解離症状である離人感などに発展することがあります。

 

 

ある程度、健康な人でも日本社会で毎日長時間働くことにより身体感覚が鈍くなってきます。いちいち不安で胃が重たいとか、疲れていてどう、というのを感じていると長時間の仕事が出来なくなります。

 

 

その様な状況にいると余計に身体感覚が育ちにくいです。臨床経験から、カウンセリングでトラウマを話してもらっても、それを体で感じることが出来なければ、全くよくならないどころか、悪くなると感じることがあります。マシンガンのように強迫的にすべてを話したからといってよくなる訳ではないです。

 

 

身体感覚があってこそのトラウマの語りだと伝えたいです。まず楽しいことを話してもらい、その時体がどう感じるか? ある時には、嫌なことをも話してもらい、体のどの辺で感じるのかを聞いたりもします。

 

 

感情を回復するのと同時に、身体感覚も回復させることはとても重要です。臨床経験から、体を感じることが出来ないと他の心理療法が出来ずに無駄な時間をクライアントに過ごさせてしまいます。

 

 

安全に、効果的に、ある意味楽しく身体の感覚を取り戻していくお手伝いをするのがトラウマ臨床だと言えます。

 

 

あと依存や解離というのも、感じることの逆です。それらからの回復にも身体感覚が鍵となっていきます。体を感じることをしてこなかった過去があるので、急に感じてくださいと言っても何も感じれなかったり、怖い感じがするかもしれません。感じないようすることにメリットとか、意味もあったのです。

 

 

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