動物はトラウマセラピーにおいて効果的だと認知され始めてきております。3度ほど、カナダのエドモントンでアニマルセラピーの研修を受けました。動物介在療法:Animal Assisted Therapyといわれています。
心理士が7人くらいで週に50人くらいトラウマに遭った大人やこどもをみているセンター。広大な土地に、犬2匹、にわとり約20羽、馬4頭、ロバ3頭、アルパカ4頭、ラマ2頭、ターキー2匹、研修を受けながら動物に触れ、その癒しのパワーを体験することが出来ました。
1つのエピソード。ある馬との体験。昔は競走馬として人気があった。しかし、足を痛めてから医者に診てもらうために全米の多くの医者にかかった。でも治ることはなかった。そのせいで、あちこちつれまわされ足を触られた。
まず私はその馬にブラシをかけた。彼は気持ちよさそうだった。今度はひずめのお掃除。それには彼が足を上げてもらわないと掃除できない。何百キロもある馬の足をあげてもらうので、私はとにかく緊張して、恐怖感もありました。
3本の足は何とかできました。しかし、その怪我をしたいやな思い出のある足はどれだけ頑張っても上げてくれませんでした。 私もだんだんイライラして、馬もイライラしてる様子でした。
困り果てて、ふと私はため息をついた。その時このセンターの代表が言った。「あなたが深呼吸(ため息)をしたから馬もため息をついたんだよ。」その時ふと気づいた。 まず私がグラウンディングしよう。深呼吸しよう。信頼してもらおう。数分続けました。
そして、馬をさすりながら何度も「大丈夫だよ」と心の中で強く想った。そして、再度トライ。ぎこちなくではあるが、彼が足を上げてくれました。そして感無量で掃除をして、終わると何ともいえない達成感。彼と通じ合えた。彼が信頼してくれたと感じました。
学びました!恐怖を感じても、イライラしていても、困難なことに直面しても、グラウンディングすればいいのだと。リラックスすればいいのだと。自分と相手を信頼すればいいのだと。それから私が馬たちのほうによっていくと、彼(エコー)が真っ先に近寄ってくるようになりました。
そのセンターの代表が私に言った。「もしあなたが虐待されたクライアントだとして、このような体験がセラピーの1回目だったとしたら、セラピー続けたいと思いますか?」
答えは明白だった。このセンターにはとてもひどい虐待を受けたクライアントが来る。その多くのクライアントが今まで何人もの援助者にかかってきた。でも誰ともうまくいかなかった。
そのようなクライアントがこのセンターではよくなっていく。ただ動物と触れているだけでトラウマは癒されないと思う。しかし、動物の持つパワーと援助者、クライアントが力をあわせれば回復できるのだと。あなたにとっての「回復を手伝ってくれるもの、動物、人 」 とは、、、
馬をはじめロバや鳥などともワークをしましたが、日本で気軽に出来るのはやはり犬なので、犬をメインに動物介在療法を徹底的にセンターの代表から5日間にわたって教えて頂きました。
カウンセリングオフィスにいる犬3匹たち。2匹をカナダに連れて行ったのですが、このセンターでセラピー犬として「気質」の部分をテストしてもらいました。結論は何とかパス。
細かくは「お座り」などのコマンドのテストなどもあるみたいなのですが。とにかくセラピー犬に向いていると認定されました。これからも男性サバイバーの支援を応援してくれるであろう犬たちと歩んでまいります。